ソラマメの結果習性について
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概要
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1. ソラマメ (品種は早生) を10月28日, 3月15日, 4月5日の3囘に播種し, 更に10月28日播のものは一部を鉢植としてガラス室内に栽培し, 分枝状態, 開花及び結實について調査したが, 秋播は第一次分枝及び第二次分枝が多いのに對し, 春播したものは殆んど第一次分枝のみで, 分枝數は著しく少なかつた。又秋播露地區では主枝は冬期枯死し, 第一次分枝も枯れるものが少數あつたが, ガラス室區はこのようなことはなかつた。2. 秋播したものは着花節數が多く, よく結實したが, 春播したものは着花節位が上昇し, 着花節數も少なく, 開花數も減少し, 從つて結莢數は秋播のものに比べて可なり少なく, 殊に4月5日播區は殆んど不稔に近かつた。3月15日播區は23本中3本, 4月5日播區は同じく23本中19本が全く不稔であつた。3. 10月28日播の材料について摘葉, 摘心, 摘花の影響を檢した結果は, 摘葉區は分枝數, 開花數, 結實數共に少なく, 摘心區は分枝はやゝ増加するが, 開花數, 結實數はやゝ減少し, 結莢歩合の増加も見られなかつた。摘花區は榮養生長が著しく旺盛で枝の伸長及び分枝がさかんとなり, 開花數も著しく増加した。4. 枝の下部の花は止り易く上部にゆくに從い實數は少なくなり,一つの枝の中で下と上の間に養分に對する競爭があることを認めた。又1花序中2花以上の花がある時は第1花がよく止り, 第2花以上の花の止りが著しく低いが, これは下の花を摘除すると第2花以上の花の止りがよくなることから, 1花序内ではげしい養分に對する競爭があり, 上位の花が止らないことを明かにした。
- 園芸学会の論文