日本李の自家並に交配授粉に關する研究 (第3報):ケルシーの花粉並に二三品種の授精可能期間について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 昭和14, 15年度に於て園藝試驗場の果樹園の李につき次の調査を施行した。1) ケルシーの花粉による授粉試驗。2) ソルダム, フォーモサ, コンビネーション3品種の授精可能期間の調査。2. ケルシーの花粉によつて授粉されたソルダム外7品種はいづれもその結實歩合が極めて低く, ケルシーの授粉樹としての價値の少い事を示した。但萬左衞門のみは幾分良好な結果率を示したが, その歩合は決して滿足出來る程度ではなかつた。3. ソルダム, フォーモサ兩品種共開花4日前の蕾より開花5日目の花に至る迄, 授粉による相當の結實能力有し, しばしばフォーモサに見られる寡産は該種の授精可能期間の短いためでない事が判明した。從つて筆者はフォーモサに屡々見られる結實不良は樹勢の著しい衰弱に起因するもの推定する至つた。4. コンビネーションの結實不良は第1期落果の早い事及授粉による結實歩合も比較的低い事に起因するらしく, 猶該種は開花3日目迄の授粉による結實能力を有する事が判明した。5. 李の蕾授粉は開花授粉に比して約50〜80%の結實歩合を有し, この關係は品種によつても多少の相異があり, 花の老若其他外界の條件によつてもある程度動かされるものと見られた。最も止り歩合の高いのは大略開花2日目頃の授粉である。蕾の老若による止り歩合はソルダムでは多少の差が見られたが, フォーモサでは差がなかつた。
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 甘藷の増收に對する生長物質(ホルモン)の利用に關する研究(第2報)
- 柿の人工授粉に關する研究
- 柿の炭酸瓦斯脱澁後の黒變防止に關する實驗(第1報)
- 日本李の自家並に交配授粉に關する研究 (第3報):ケルシーの花粉並に二三品種の授精可能期間について
- 柿の炭酸瓦斯脱澁後の黒變防止に關する實驗 (豫報)
- 甘藷の増收に對する生長物質(ホルモン)の利用に關する研究(第1報)