石灰硫黄合劑の藥害に就て (豫報)
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概要
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1. 石灰硫黄合劑の藥害は撒布後比較的短時間の中に惹起される。藥劑が葉上で乾燥してから洗滌しても效果がない點から見て, 藥劑が乾燥する迄の間に藥害の程度は決定される樣である。2. 十數種の果樹や蔬菜に就て檢した所によると藥劑が葉の氣孔のない面に附着しても藥害は起らなく藥害の起つた面には常に氣孔が存在する, 石灰硫黄合劑は氣孔から葉の組織内へ浸入し藥害を惹起するものと推定される。3. 撒布時の温度や濕度と藥害の程度との間には直接の關係は見られなかつた。日射は強くなると藥害が著しくなり, 或程度以上の日射があると藥害は最大となつた。4. 撒布時刻を變へて石灰硫黄合劑を施用して見ると早朝は藥害の程度は輕微で, 日中は著しく, 夕刻から夜間にかけて再び藥害は輕微となる。5. 氣孔の開度及び開いた氣孔の割合は梨では早朝より漸次大となり午前9.30より午後2.30の間に最大となり以後漸次小となつてゐる。藥害の程度は氣孔の開度の大きい時程著しかつた。然し種々の違つた條件の下で同樣な關係があるか否かに就ては實驗を繰返す必要がある。6. 石灰硫黄合劑撤布實施にあたつて藥害をさける意味から撒布時刻を考慮する必要がある。
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