メラノーマの分子生物学的研究で何が分かり, 診療にどのように役立つか?
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概要
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皮膚黒色腫を悪性黒子型, 表在拡大型, 肢端黒子型, 結節型の4型に分類することの妥当性にはこれまで議論があった。しかし, 最近の研究により, 肢端黒色腫や悪性黒子型黒色腫は表在拡大型黒色腫とは異なる染色体異常のパターンを示すことや, BRAF遺伝子変異の頻度が有意に低いことが明らかにされ, 黒色腫の分子発癌経路はその病型により異なることが強く示唆されている。また, 良性の色素性母斑やSpitz母斑は染色体異常をほとんど示さず, 黒色腫との間には明確な差異があることも明らかとなり, 母斑と黒色腫の鑑別の補助診断法としてCGH法やMLPA法を用いた腫瘍細胞の遺伝子異常の網羅的な解析が有用である可能性が指摘されている。一方, センチネルリンパ節における転移の検出にメラノサイト分化抗原の転写産物を高感度で検出するRT-PCR法が導入され, 患者の予後の推定に重要な情報を提供している。
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