降雨に対する応答の速い河川水中の溶存成分濃度変化について
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概要
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商用電源の得られない流域で物質移動の研究が行なえるような, バッテリーを電源とし雨量計をセンサーに持つ, 自動採水器および水文測定記録装置を製作した。本システムを多摩川水系の小流域に設置し観測を行なった結果, 次のことが明らかになった。水路にもたらされたわずかの降雨に対しても, 流量や河川水温, 河川水の電導度がすばやく応答する。谷頭平底における飽和域が拡大し, 水路と連結すると流量の「ふたつめのピーク」が形成される。流出成分の分離結果から,「ひとつめのピーク」は, 飽和地表流や浅い地中流によって形成され,「ふたつめのピーク」は降雨以前から地中に存在する水が, 降雨の地下浸透によって押し出されて形成されると考えられる。
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