2系統のニチニチソウ懸濁培養細胞によるヒドロキノンの配糖化能力の違い
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概要
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起源が全く同じでありながら, 形態的に大きく異なる2系統のニチニチソウ懸濁培養細胞 (CrA株及びCrB株) の, ヒドロキノン (HQ) からアルブチンへの配糖化反応の違いを検討した. 形態が円柱状で液胞がよく発達しており細胞の体積も大きなCrB株は, 球状で体積がより小さいCrA株に比べて, いずれの培養齢でもアルブチン生成能力が勝っていた. HQを培養液に添加すると, 両株とも6時間以内にHQ配糖化酵素が誘導され, その活性は24時間以内に最大に達した. しかしその酵素活性は両株で大きく異なり, 最大活性がCrA株よりCrB株が5倍高かった. この値は両株のアルブチン生成量の違いと一致した. さらに細胞中のアルブチン蓄積量を調べた結果, 細胞生重量当たりCrB株が2.6倍多かった. 起源が同じ株でありながらHQの配糖化に大きな違いが示されたことは, 植物組織の生物変換による有用物質生産においても, 二次代謝産物の de novo 生産の場合と同様に細胞選抜が有効な手段となりうることを示唆している.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
著者
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横山 峰幸
資生堂基盤研究センター
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猪股 慎二
資生堂基盤研究センター
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猪股 慎二
(株)資生堂 薬剤開発研究所
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和地 陽二
(株)資生堂 医薬品研究所
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猪股 慎二
(株) 資生堂 基礎科学研究所バイオテクノロジーG
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横山 峰幸
(株) 資生堂 基礎科学研究所バイオテクノロジーG
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和地 陽二
(株) 資生堂 基礎科学研究所バイオテクノロジーG
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