高温条件下での胚珠培養による多胚性カンキツの雑種獲得
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概要
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胚発生の初期段階にあるカンキツの幼胚珠を温度環境を変えて培養し, 交雑胚の獲得率について検討した. カラタチの花粉を交配した‘マルチーズブラッド’オレンジと‘ダンカン’グレープフルーツの幼胚珠を malt extract 400mg・l-1および adenine 10mg・l-1を添加した Murashige & Tucker (1969) 培地に置床した. 温度条件を変えて70日間培養したところ, 生存胚珠数は25℃区および30℃区で多く, 20℃区ではかなり減少する傾向であった. これらの胚珠を, malt extract の濃度を次第に下げ adenine の代わりにGA310mg・l-1を添加した同培地で継代培養した. 培養135日後に三出葉を有した雑種実生の獲得率を調査した結果,‘マルチーズブラッド’オレンジの場合に30℃区で13.5%,‘ダンカン’グレープフルーツの場合に30℃区で10.8%, 25℃区で, 1.1%であり, in vitro において高温条件を与えながら幼胚珠を培養すると雑種実生を効率的に獲得できることが明らかとなった.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
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