抗レトロウイルス療法施行前のCD4陽性T細胞数は治療後の免疫再構築を予測する
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【背景・目的】 抗レトロウイルス療法を継続中のHIV (human immunodeficiency virus) 感染者の一部では血液中のウイルス量が十分抑制されているにもかかわらず, CD4陽性T細胞の回復が十分でない症例が認められるため, この要因について検討をした. 【対象と方法】 群馬大学医学部附属病院及び関連施設において, 抗HIV療法下で5年以上の長期間にわたってウイルス血症が検出限界以下と良好にコントロールされているHIV感染者46名におけるCD4陽性T細胞数の回復と, 治療開始時の年齢, CD4陽性T細胞数, 治療レジメン, 性別との関係について相関をみた. 【結 果】 CD4陽性T細胞数の回復が不十分なグループ (CD4数<350/μl) は良好なグループ (CD4数≧350/μl) と比較して, 治療開始時のCD4陽性T細胞数が統計学的有意に少ない傾向にあった (28.1 vs 124.9/μl p=0.006) が, 治療開始時の年齢には差を認めなかった (50.7歳 vs 44.2歳 p=0.120). また, 性別や治療薬による差もCD4陽性T細胞回復に影響しなかった. 【結 語】 高度に免疫低下が進行したHIV感染者においては有効な抗レトロウイルス療法がなされたとしても治療開始前のCD4陽性T細胞数の低い症例ではその後の免疫再構築が不十分なことがあり, 早期発見, 早期治療の重要性が示唆された.
著者
-
小倉 秀充
前橋赤十字病院 内科
-
柳沢 邦雄
群馬大学血液・腎臓・リウマチ内科
-
内海 英貴
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科学
-
野島 美久
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科学
-
内海 英貴
群馬大学 大学院脳神経内科学
-
野島 美久
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科
-
小川 孔幸
群馬大学腎・リウマチ・血液内科
-
小川 孔幸
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科学
-
柳沢 邦雄
群馬大学大学院医学系研究科生体統御内科学
-
合田 史
高崎総合医療センター
-
馬渡 桃子
西群馬病院
-
澤村 守夫
西群馬病院
-
内海 英貴
群馬大学大学院医学系研究科 生体統御内科学
-
野島 美久
群馬大学大学院医学系研究科 生体統御内科学
-
小倉 秀充
前橋赤十字病院
-
野島 美久
群馬大学大学院 生体統御内科学
-
内海 英貴
群馬大学大学院 生体統御内科学
関連論文
- 4. 腫瘤形成性白血病(GS)の予後に対する造血幹細胞移植の影響(第33回群馬移植研究会学術講演会)
- 1. 髄外腫瘤が急性骨髄性白血病の予後に与える影響の検討(第14回群馬血液疾患研究会)
- 2. L-PAMを含む自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法の安全性
- 悪性リンパ腫に続発した非外傷性縦隔気腫を合併した肺障害の治療経験
- IgA腎症に対するステロイドパルス療法の有効性 : 腎機能低下症例における検討
- 3.自家末梢血幹細胞移植後アデノウイルスによる出血性膀胱炎,腎障害,ウイルス血症および血球貪食症候群をきたしたマントル細胞リンパ腫の一例(第30回群馬移植研究会学術講演会)
- 60歳以下の骨髄異形成症候群症例の治療成積
- 後腹膜線維症に出血症状と高度の偽性血小板減少症を合併した1例
- 今月の症例 後腹膜線維症に出血症状と高度の偽性血小板減少症を合併した1例
- Bortezomib 治療中にM蛋白が消失したにもかかわらず髄外形質細胞腫が出現した多発性骨髄腫
- 2.真性多血症からの二次性骨髄線維症に対しRISTを行った1例(第31回群馬移植研究会学術講演会)
- 症例報告 RISTが有効であった真性多血症からの二次性骨髄線維症
- 2 パルボウイルスB19の先行感染を認めた特発性血小板減少性紫斑病の一例(第7回群馬臨床ウイルス研究会)
- 3.最近当院で経験した術後のヘパリン起因性血小板減少症の2例(一般演題,第6回群馬血栓症研究会)
- 3. ALL治療中に生検で証明されたサイトメガロウイルス胃炎の一例(第22回群馬消化器病研究会)
- 腹膜透析中止後11年で発症した被嚢性腹膜硬化症の1例
- 5.網膜に多発血栓を発症し,HITが疑われた透析患者の一例(第1回群馬血栓症研究会)
- 2.当科で経験したHIV感染妊娠の1例(一般演題)(第3回群馬臨床ウイルス研究会)
- 2. 免疫吸着療法中にヘパリン起因性血小板減少症を発症したGuillain-Barre症候群の一例(一般演題)(第2回群馬血栓症研究会)
- 血液透析患者の便秘(消化器症状)に対するクエン酸モサプリドの有効性について
- 1. 肺梗塞を来した抗プロトロンビン抗体による抗リン脂質抗体症候群の一例(一般演題)(第2回群馬血栓症研究会)
- 急性腎不全を合併したHELLP症候群の2症例
- PP1497 敗血症患者における血清亜硫酸濃度の測定
- 多発性骨病変を呈した B cell lymphoma
- 15.SHPS-1による樹状細胞の機能制御(一般演題,第55回北関東医学会総会抄録)
- 1. 再発難治性多発性骨髄腫に対するbortezomibの使用経験(第13回群馬血液疾患研究会)
- Micafungin と liposomal amphotericin B の併用療法が奏効した azole 系薬剤不応性の Candida guilliermondii 血症
- 13. BCR/ABL陰性慢性骨髄増殖性疾患における顆粒球,血小板のJAK2遺伝子変異の検討(一般演題,第54回北関東医学会総会抄録)
- 1. 臍帯血移植を施行し寛解を継続している子宮原発granulocytic sarcoma(GS)(一般演題,第29回群馬移植研究会学術講演会)
- 1.急性白血病の加療中に当初脳梗塞を疑われたreversible posterior leukoencephalopathy syndrome (RPLS)の1例(第4回群馬血栓症研究会)
- 5.当科における同種造血幹細胞移植症例の検討(第27回群馬移植研究会学術講演会)
- Thalidomide, dexamethasone 併用療法中に深部静脈血栓症, 肺動脈塞栓症を発症した多発性骨髄腫
- L-asparaginase により発症したと考えられる reversible posterior leukoencephalopathy syndrome
- 2.PMLを初発症状としたAIDSの1例(第5回群馬臨床ウイルス研究会)
- 症例報告 Thalidomide, dexamethasone併用療法中に深部静脈血栓症,肺動脈塞栓症を発症した多発性骨髄腫
- 1. DICを合併し, 血栓シンチが診断に有用であったKasabach-Merritt症候群の一例(第3回群馬血栓症研究会)
- HIV感染者の末梢血T細胞サブセット解析 : 造血器腫瘍との比較
- β-トロンボグロブリン(β-TG) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・2)その数値をどう読むか) -- (血小板関連検査)
- 先天性第X因子欠乏症を伴った腹部大動脈瘤の1手術例
- 膠原病と急性腎不全
- RISTが有効であった真性多血症からの二次性骨髄線維症
- 腎細胞癌の多発性肺転移症例に対する骨髄非破壊的同種末梢血幹細胞移植
- 全身性アミロイドーシスとして発症したIgM-λ型多発性骨髄腫
- A型ウイルス肝炎経過中に自己免疫性溶血性貧血に伴って発症した赤芽球癆
- 20-P2-357 転倒転落患者の背景と使用薬の分析(リスクマネジメント,来るべき時代への道を拓く)
- 血液透析患者の心筋障害と soluble glycoprotein 130
- 血液透析患者の動脈硬化とケモカイン・接着因子・Fas 抗原の臨床的意義
- 血液透析患者における心筋ミオシン軽鎖1の臨床的意義
- 生理活性物質・亜硫酸の可能性
- 積極的な立場から (診療controversy--medical decision makingのために ループス腎炎に対する免疫抑制療法)
- 目でみる症例 SLE腎症
- 1.群馬県における悪性リンパ腫患者の病型頻度(一般演題,第12回群馬血液疾患研究会)
- 1.血中EBV陽性の肝機能障害にFoscarnetが著効したHIV症例(一般演題)(第3回群馬臨床ウイルス研究会)
- 維持血液透析を施行した血友病Aの1例
- バージャー病症例に対する血管新生を目的とした骨髄細胞移植の適応と治療成績 : 神経ブロック,高気圧酸素治療と併用して
- Hairy cell 様リンパ球の多クローン性増多症 : hairy B-cell lymphoproliferative disorder
- 血管造影にて multiple hypervascular lesion を呈した形質細胞腫を伴う多発性骨髄腫
- 脳回状核を有する分類不能成熟T細胞性白血病
- 7. 転移性腎細胞癌に対しミニ移植を施行した一例(第24回群馬移植研究会学術講演会)
- 1. 慢性GVHDによる心外膜炎と考えられた1例(一般演題I)(第22回群馬移植研究会学術講演会)
- 汎血球減少症を合併した甲状腺機能亢進症の1例
- 副腎皮質ステロイド薬と免疫抑制薬
- ES15 膠原病に対する薬物療法と治療の進歩 : ループス腎炎に対する免疫抑制薬を中心に(教育セミナー15,第56回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 多発性骨髄腫の腎障害
- ループス腎炎の最新治療
- 骨髄非破壊的前処置による同種造血幹細胞移植
- 7.当院で骨髄非破壊的前処置を用いた造血幹細胞移植(NST)を行った5症例(一般演題III)(第21回群馬移植研究会学術講演会)
- 感染性心内膜炎を併発した急性骨髄性白血病
- 骨髄異形成症候群を伴った大動脈弁狭窄症の1例
- 抗レトロウイルス療法施行前のCD4陽性T細胞数は治療後の免疫再構築を予測する
- 赤芽球癆治療中にサイトメガロウイルスと単純ヘルペスウイルスの混合感染による舌炎を発症した Good 症候群
- アダリムマブ投与中にニューモシスチス肺炎を発症した関節リウマチ患者2例の報告
- 血液透析患者の動脈硬化とケモカイン・接着因子・Fas 抗原の臨床的意義
- コラーゲン誘導関節炎の発症とSIRPα (特集 自己免疫疾患の発症誘導要因)
- 巨赤芽球性貧血を合併したため定型的病像を欠いた慢性骨髄性白血病
- 教育講演 ループス腎炎治療の新展開 (第109回日本内科学会講演会)
- 多発性骨髄腫の経過中に中枢神経浸潤を来した1例
- 群馬県における非ホジキンリンパ腫患者の実態調査
- Acyclovir encephalopathy developed after autologous peripheral blood stem cell transplantation in a patient with multiple myeloma
- Deep Coma in a Patient with Promyelocytic Leukemia Treated by Arsenic Trioxide
- ES7-3 腎障害 : ループス腎炎, ANCA関連腎炎の治療(ES7 膠原病の臓器障害の最新治療,イブニングシンポジウム7,第25回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- ループス腎炎治療の新展開
- 血縁者間同種造血幹細胞移植後にドナー由来のHLA抗体が出現し, 血小板輸血不応を来した急性骨髄性白血病