ベンゼンスルホン酸類の硫黄-33 NMR スペクトルの解釈のための MNDO-PM 3計算
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概要
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ごく最近出された Stewart の Modified Neglect of Diatomic Overlap Parametric Method (MNDO-PM3) をベンゼンスルホン酸類の S-33NMR スペクトルの線幅と硫黄原子の周りのコンホーメーションとの間の関係の研究に応用した。MNDO-PM 3による計算では, ベンゼンスルホン酸がスルホネートアニオンに解離すると, 最も安定なコンホーメーションは, 3つの対称的な酸素から成り, 多分ベンゼン環を含めて, 硫黄原子の周りのコンホーメーションが球状になっていると思われる。かくて, 硫黄原子の四極子モーメントは小さくなり, S-33NMRシグナルが観測できるようになる。 S-33 NMRシグナルの線幅が非置換のものと同様比較的小さい 4-CH<SUB>3</SUB>, 4-Cl, 4-NH<SUB>2</SUB>置換ベンゼンスルホネートが, ベンゼンスルホネートと非常に似たようなコンホーメーションをとっていることを計算データは明らかにした。 3-ニトロベンゼンスルホネートは, 計算データが対称性を崩したコンホーメーションであることを示していて, 4一アミノベンゼンスルホネートと異なっていることがはっきりしている。そしてスペクトルの線幅も大きいことが説明できる。S-33 NMRスペクトルとして耐え難い程プロードなシグナルから予測された4-オキシドベンゼンスルホネートのキノン類似の構造も, フェニル C<SUB>1</SUB> 炭素と硫黄原子問が非常に短い結合距離である計算データによって支持される。3-O<SUP>-</SUP>置換体の計算データは, 4-O<SUP>-</SUP>のデータ程, 顕著でない。従って, シグナルが非常にプロードだが, まだ観測できるという事実とも合致する。
- 社団法人 日本油化学会の論文
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