エビデンスに基づく医療(EBM)の実践ガイドライン システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目(PRISMA声明)
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概要
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近年,わが国においてもエビデンスに基づく医療(EBM)の提供が求められており,その根拠となる学術論文のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの重要性は,ますます高まっている。システマティックレビュー報告は,疾病の診断および予後,予防対策などに広く活用されている。これまでいくつかの研究でシステマティックレビュー報告の質が評価された結果,報告の質は全体的に不十分であった。1996年,メタアナリシス報告の質を向上させるために,国際研究グループが「QUOROM(メタアナリシス報告の質)声明」という指針(guidance)を作成した。さらに,QUOROMの項目等について検討してきた運営委員会は,2009年6月,その改訂版を作成し,「PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)声明」と名づけた。このPRISMA声明では,システマティックレビューの概念および実践面におけるいくつかの発展が見られる。本稿では,著者らがこれまでシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行ってきた経験を踏まえ,PRISMA声明の概要と展望について概説する。
著者
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吉田 佳督
名古屋大学大学院医学系研究社会生命科学講座医療行政専攻(ヤング・リーダーズ・プログラム
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吉田 佳督
Young Leaders' Program Of Health Care Administration Graduate School Of Medicine Nagoya Univers
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卓 興鋼
独立行政法人国立健康・栄養研究所国際産学連携センター生物統計研究室
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大森 豊緑
名古屋市立大学大学院医学研究科医療健康政策科学分野
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大森 豊緑
名古屋市立大学大学院医学研究科 医療健康政策科学
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吉田 佳督
名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻
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