周産期疾患の発症乳牛における乾乳期の血中成分
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概要
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周産期疾患の発症乳牛における乾乳期の前駆所見を明らかにする目的で、健康牛(159頭)と乳熱・ダウナー牛(18頭)、ケトーシス牛(13頭)、第四胃変位牛(11頭)において分娩前後の血中成分の推移を検討した。乳熱・ダウナー牛では健康牛に比べて総コレステロール(分娩前4〜2週)と尿素窒素(分娩前8〜6週)、乳酸(分娩前6〜4週)が高値、カルシウム(分娩前4〜2週と2〜0週)が低値を示す傾向が認められた。ケトーシス牛では遊離脂肪酸(分娩前2〜0週)と乳酸(分娩前6〜4週)が高値を、第四胃変位牛では遊離脂肪酸(分娩前4〜2週)と総コレステロール(分娩前6〜4週)、乳酸(分娩前4〜2週)が高値を示す傾向が認められた。疾病牛における乾乳期の血中成分は、泌乳後期や乾乳期の飼料摂取状況やルーメンコンデイションと関連があり、血糖や遊離脂肪酸、総コレステロール、カルシウム、乳酸など血中成分の異常は、分娩後における疾病の発症と関連のあることが示唆された。
著者
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佐藤 繁
日本全薬工業中央研究所
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小野 秀弥
日本全薬工業中央研究所
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佐藤 繁
東北家畜臨床部会乳牛部会NOSAI宮城
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小野 秀弥
東北家畜臨床部会乳牛部会NOSAI宮城
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植松 正巳
東北家畜臨床部会乳牛部会NOSAI山形
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畠山 直一郎
東北家畜臨床部会乳牛部会NOSAI秋田
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角田 元成
東北家畜臨床部会乳牛部会NOSAI福島
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小野 秀弥
宮城県農業共済組合連 家畜診療研修所
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