PETRIFILM PLATE法による生乳の細菌数の測定と臨床面への応用
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概要
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Petrifilm Plate(PP)法の牛乳房炎への応用について検討を行い、次の成績を得た。(1)基礎試験ではPP法は標準平板培養(SPC)法と比較し、操作は簡便で、細菌発育試験では差が認められなかった。(2)検体の1,000倍希釈、32°C24時間培養で充分乳質の格差判定に供することができた。従来のレサズリン法は、乳質チエック法として利用し、PP法は今後細菌数測定による乳質格差判定に応用することができる。(3)野外試験として農家163戸の出荷乳について、現行の検査法と対比し、PP法の応用を試みたところ、乳質を5群に分類できた。Aは優良乳質群、Bは良質群、Cは体細胞増加群、Dは細菌増加群、Eは乳器障害群に属した。レサズリン陽性乳が各群に存在し、ケトージス乳、過搾乳、汚染乳の存在が指摘された。さらに搾乳中の乳汁が、乳房内に逆流する現象が明らかとなり、乳汁とともに乳房内に入った細菌が乳房炎起発菌となる可能性が示唆された。したがって、乳頭の搾乳衛生が乳房炎防圧に不可欠である。(4)前述の成績に基づいて、A農家の牛群について、乳質改善を試みたところ、好成績が得られた。さらにティートシールドディッピングを実施したところ、細菌数、細胞数とも改善がみられ、乳質改善対策について明るい見通しが得られた。(5)獣医臨床面においても、乳房炎の診断、治療、薬物応用の適応性を検討する場合に、PP法は簡便で、細菌数はもちろん、菌種、感受性検査にも応用でき、今後乳房炎対策に新しい分野を開拓できるものと期待される。
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