温熱環境の免疫反応におよぼす影響 : I. 低温環境のマウス抗体産生細胞と流血抗体におよぼす影響
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概要
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高温に対する体温調節中枢が存在する視床下部前部の電気的破壊が顕著な抗体産生抑制効果を示すことが齧歯類において知られている。寒冷馴化および暴露の刺激が視床下部刺激を介して抗体産生に影響を与えるか否かを知るため, 25°C, 8°C馴化マウスに羊赤血球をマウス1gあたり6.6×107個腹腔内に注入し, 抗原刺激後, 2日から60日にわたり, 1群10匹, 8群に分けて採血し, 流血中の血球凝集素価 (HA), 溶血素価 (HR), さらに脾細胞中のプラック形成細胞 (PFC) の数を経時的に追求し, 次のような結果を得た。1. 25°C馴化マウスと8°C馴化マウスの抗体産生能については免疫の Inductive, Productive, Terminating の各時期においてHA価, HR価, PFCでほとんど差が認められなかった。2. しかし25°C馴化マウスを抗原刺激と共に8°Cに移したマウスについては免疫の Inductive phase において強い抗体産生の抑制が起り, Productive phase にはむしろ抗体価の上昇が認められた。3. 8°C馴化マウスを抗原刺激と共に25°Cに移したものについては免疫の Latent Period が短縮し, Inductive phase においては正常状態より高い抗体価を示し続けた。4. 抗原刺激前後の環境温度の変化が免疫反応の初期に, 主として19S抗体産生に影響を及ぼすことが判明した。最も顕著な影響は環境温度を変化させた後1日後に抗原刺激をうけたマウス群において観察された。
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