マウスにおけるシス-,トランス-クロルデンの体内動態
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概要
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マウスにシス-クロルデン,トランス-クロルデンの混合物(1:1)を1回経口投与(total 40mg/kg)し,投与後1日目から52週目に渡って,投与した2種の化合物および主代謝産物オキシクロルデンの各組織への分布および蓄積性について検討した。シス-クロルデン,トランス-クロルデンは投与後1日目に各組織で最高値を示し,肝臓を除いて14日目には各組織から消失していた。これら2種の化合物の各組織中濃度半減期は概ね1日であった。一方,主代謝産物のオキシクロルデンは投与後1日目より各組織で認められ,投与後1日目あるいは2日目に最高値を示し,投与した2種の化合物よりかなり高い濃度で存在していた。各組織でのオキシクロルデンの消失速度は投与した2種の化合物に比べて極めて遅く,投与後52週目でも各組織に存在していた。各組織でオキシクロルデンの消失曲線は投与後8週目付近を境に2相性を示した。各組織中濃度半減期は第1相では概ね20日前後であったが,第2相では半減期が100日以上に延長していた。これらの結果,ヒトが食品等を経由して取り込んだシス-クロルデン,トランス-クロルデンも速やかに組織から消失し,代謝産物オキシクロルデンの形で長期に渡り生体内に存在することが示唆された。
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