Pseudo-otosclerosisについて
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概要
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著者は5例のPseudo-otcsclerosisについて報告した.<BR>症例1 36才♀ 2年前よりの難聴, 鼓膜両側共軽度の瘢痕を有する. レントゲンで両側乳突蜂巣の発育不良. 聴力検査では右60dB左50dBの伝音障碍を認める. 鼓室開放術でキヌタ骨が瘢痕と硬化線維で固定されていることがわつた.<BR>症例2 23才♂ 18年前より右耳難聴を自覚していた. 鼓膜は正常であるが乳突蜂巣の含気化は不良であり50dBの伝音障碍を示す. 鼓室開放術でキヌタ骨とアブミ骨脚の萎縮がわかつた.<BR>症例3 20才♀ 6年前より両側難聴を訴えていた. 鼓膜は正常であるが乳突蜂巣は両側含気化不良であり35dBの伝音障碍を認める. 鼓室開放術で両側中耳は膠様分泌物と線維性組織で充満していた.<BR>症例4 45才♂長期間左難聴を訴えていた. 鼓膜は正常で可動性良好であつた. レントゲンで両側乳突蜂巣の発育は良好であつた. 聴力は60dBの伝音障害を示した. 鼓室開放術でアブミ骨が転移しアブミキヌタ関節が離断していることが判明した.<BR>症例5 19才♀ 10年前より両側難聴あり. 鼓膜は正常で乳突蜂巣の含気化も良好である. 聴力は右65dB左35dBの伝音障害を示した. 鼓室開放術でアブミ骨の萎縮が見られた.<BR>術後の聴力は症例3をのぞき著るしく改善した. 仮性耳硬化症の原因は症例により異なるが. 我国では中耳炎に由来するものが最も多い. 仮性耳硬化症の聴力像は耳硬化症と異なり, 左右差が大きく, Carhartのnotchのないものが多い. 大部分中耳粘膜の病変やあぶみ骨の運動障害が慢性中耳炎に比し軽度であるため術後聴力改善は満足すべきものが多い.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
著者
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