高チタンスラッグ中の鉄の迅速定量法
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概要
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高チタンスラッグに含まれる鉄は一般に数%を越えない.したがってこれを従来の容量法で定量すると,チタン,バナジウム,クロムなどの影響によって誤差を生ずる.かつこれらを分離する方法は繁雑な操作と長時間を必要とする.そこで日常工業分析において正確迅速に定量できる方法として,試料をアルカリ溶融し,硫酸酸性とした溶液にチオシアン酸カリウムを加えて,チオシアン酸鉄の赤色を発色させ,それを吸光測定する方法を検討した.<BR>その結果,波長500〜510mμを用いれば,主成分のチタン存在において鉄含有量5%までをクロム,バナジウムおのおの1.0%までは,これらを分離することなく定量できた.本法の所要時間は試料の溶融も含めて約50分,再現精度はFeO2.5%程度で標準偏差±0.08%,変動係数3.0%である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文