糖およびグルクロン酸の呈色反応機構
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概要
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糖は動植物の重要な構成物質の一つであり,かつ重要な食品であるため,古来理,工,農,医の各分野においてこれを定姓し,または定量する機会のもっとも多いものの一つである.グルクロン酸もある組織の構成成分であり,とくに生体の解毒機構に重大な役割を演じているので,生化学および臨床医学において定性および定量の必要に迫られる物質である.<BR>糖およびグルクロン酸の定性および定量にもっとも広く用いられるのは,呈色反応による色の観察および吸光度測定法である.糖の呈色反応はその種類はきわめて多く,使われる試薬の種類も数十種におよぶ.しかしその反応機構は多くの研究者の努力にもかかわらず不明のものが多く,確定的に解明せられたのは非常に少ない.一方グルクロン酸の呈色試薬はその種類が少なく,現在でももっとも優秀な試薬は古くからあるナフトレゾルシンであるが,この反応機構も最近ようやく推定されたばかりである.<BR>糖およびグルクロン酸を呈色反応により定性または定量し,あるいはその方法を改良した文献は枚挙に暇のないほどあるが,その反応機構の研究がこのように後れているおもな理由は,反応生成物が複雑な色素と樹脂状物の混合であって,主色素を単一な結晶として取出すことがきわめて困難なためである.著者の研究室では数年来一部この方面の研究に従事しているので,現在までに調査し得た反応機構をここにまとめて概観して見たい.<BR>便宜上試薬を無機物と有機物に分け,有機物はさらに原子団により大別した.反応機構は原子団に大いに関係があるからである.なお文献は呈色機構に関係あるものに止め,試薬の使用法などに関する文献は成書や綜説にあるから省略した.
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