3,6-ジニトロフタル酸による清酒,ビールおよびブドウ酒中の還元糖および総糖の定量 : 有機分析(第41報)
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概要
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清酒,ビールおよびブドウ酒中の還元糖および総糖を3,6-ジニトロフタル酸法によって比色定量し,Bertrand法あるいはSomogyi法と比較検討した.清酒は前処理を必要とせず,還元糖は希釈液について発色させ,総糖は加水分解後発色させる.総糖は本法とSomogyi法がよく一致するが,還元糖は本法の方がわずかに大きい値を与える.この理由はブドウ糖と麦芽糖の還元力の比が両法によって異なるからである。ビールはガスを除き希釈し,ミョウバン液および水酸化バリウム液でタンニンその他の物質を除去したのち発色させて還元糖を定量し,総糖は加水分解後同様に処理して定量する.この場合も総糖は本法とBertrand法で一致するが,還元糖は本法の方がわずかに大きい.これは麦芽糖とオリゴサッカリドの還元力の比が両法によって異なるためと考えられる.ブドウ酒は中和し,揮発性還元物を除いたのち希釈し,上記除タンニン操作を行なったのち発色させる.本法とSomogyi法の値がよく一致するが,糖に比べてタンニンの多いブドウ酒では除タンニン剤の量を多くする必要がある.
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