3,6-ジニトロフタル酸による還元糖の定量において共存する物質の影響 : 有機分析(第40報)
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概要
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3,6-ジニトロフタル酸による還元糖の比色定量法は操作が簡単で,しかも精度が高いから応用範囲が広いと考えられる.これを実際に応用する場合に共存物質の影響を調べておくことは,試料の前処理の参考として必要であるから,各種無機物および有機物の影響を検討して次の結論を得た.<BR>無機物では重金属およびアルカリ土金属イオンは炭酸アルカリによって沈殿するから不可であるが,ナトリウムおよびカリウム塩は検液中に1%存在しても影響がない.緩衝作用がある塩は影響があり,影響のない最大許容量は約0.05%である.<BR>有機物ではアルコールおよび有機酸アルカリ塩は1%で影響がない.影響を与える物質の最大許容量は活性メチレン化合物では約0.01%,アミノ酸では約0.1%である.グルクロン酸およびアスコルビン酸は正常血中濃度の10倍程度で影響がない.グルタチオンはSomogyiの除たん白処理により影響が除かれ,タンニン酸,カテコールおよびピロガロールはミョウバン-水酸化バリウム処理により影響が除かれる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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