中和滴定による水銀定量方法の検討 : 水銀法食塩電解廢泥中の水銀の定量
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概要
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中和滴定による水銀の定量方法は操作が簡便であるという特長をもっているが,酸化水銀の生成を利用するものは2種の系統にわけることができる.すなわち,(i)アルカリ標準液で滴定し,酸化水銀の生成し終る点を終点にする方法と,(ii)過剰のアルカリを加えて生成した酸化水銀に中性でヨウ化カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムを作用させ,遊離したアルカリを酸標準液で滴定する方法とがこれである.前者は水銀塩の加水分解を防ぐために塩素イオンを加えて行うのが普通であるが,水銀の塩基性塩を生じやすいといわれ,遊離酸が共存する場合にはこれを別に定量する必要がある,従って後者の方が操作が簡便であり,終点判定も容易であるという.しかるに,この方法についての従来の報告では精度があまりよくない.著者等はこの方法の誤差を生じやすい点を検討し,その実際分析への応用を目的としてこの研究を進めた.この研究では比較的微量の水銀定量に主眼をおいた.<BR>この方法の機構は次式で示される.<BR>3Hg<SUP>2+</SUP>+6OH<SUP>-</SUP>+2(CH<SUB>3</SUB>)<SUB>2</SUB>CO=3HgO・2(CH<SUB>3</SUB>)<SUB>2</SUB>CO+3H<SUB>2</SUB>O<BR>3HgO・2(CH<SUB>3</SUB>)<SUB>2</SUB>CO+12I<SUP>-</SUP>+H<SUB>2</SUB>O=3HgI<SUB>4</SUB><SUP>2-</SUP>+6OH<SUP>-</SUP>+2(CH<SUB>3</SUB>)<SUB>2</SUB>CO.
著者
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