X-Ray Diffract-meter による工業分析法の研究 : (I) 誤差について
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概要
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X-RayDiffractometerを用いて結晶の混合比を定量する場合の誤差の問題をKCl〜NaCl混合系を用いて検討した結果,本定量法においては,試料に基ずく誤差が極めて大きく,特に結晶子の大きすぎる場合や結晶子の大きさの異なる二成分の混合する場合は精度や正確が低下し易い.精度を上げる為にはKCl〜NaCl混合系では40分以上磨砕混合する必要がある.<BR>測定条件としては,計数管走査速度1度/分,レートメーターの特定数1〜3秒,計数率1000カウソト/秒,スリット巾は各廻折線の分離を著しく悪くしない範囲で成可く大きくとる等が実用的なものと思われる.<BR>このようにして測定しても各測定値の誤差は漸く±10%以下の程度である.しかし一回の測定は僅か数分で完了する故,数回の測定値の平均を求めて精度を上げる事が出来る.<BR>混合比の定量限界は,<BR>各々の200の廻折線を用いた場合W<SUB>KCl</SUB>/W<SUB>NaCl</SUB>=0.0510:1,KClの200とNaClの111を用いた場合0.005〜0.1である.<BR>著者等は引続き本分析法の特色を特に発揮し得るような問題に対してこれを適用すべく研究を続行中である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文