各種ばいじん量測器による測定値の再現性 : 降下ばいじんの測器による差異に関する総合的研究(第3報)
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概要
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1961年7月〜1962年7月の期間東京都内4箇所において,英国規格ばいじん計(BG),衛生試験法簡易ばいじん計(DJ)および湿式BGによる降じん量測定値の再現性を検討した.再現性の良否を示すための指数としては,従来同様,偏差率(<I>d</I>)によることとした. ここにいう偏差率とは二つの測定値(<I>a</I>,<I>b</I>,その平均値を<I>m</I>とする)の開きを示すのに用いようとするもので,<BR><I>d</I>=|<I>m</I>-<I>a</I>|/<I>m</I>×100=|<I>m</I>-<I>b</I>|/<I>m</I>×100<BR>同種測器による測定値の偏差率はBGがやや他より大きいことが多いが,各種測器はいずれも平均数%以下である.これに対しBG値とDJないし湿BG値間の偏差率は平均二十数%であるから,このようなBG値とDJないし湿BG値との差異は,明らかに測定法の差異,すなわち乾式法と湿式法の差異に起因するものである.DJはBGより操作が著しく簡易であり,測定値の信頼度もはるかに高い.<BR>以上,第1〜3報の成績を総括すると,結論としてBGは他2型と降じん総量測定値に大差があり,ばいじん組成でも相当の差異を生じやすく,またその差異は地区的,経月的,経年的にも存在し,かつ一様でない.しかるに湿BGとDJとはすべての点でよく一致する.これよりBGは気象などの偶然的影響(特に風による降じん再飛散)が大きいから,湿式型,特に取扱いの簡易なDJを国際的にも推奨する.とりわけ発煙源の多い都市の乾燥期における測定の場合には湿式法による必要がある.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
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