シクロヘキサノン抽出法によるジルコニウム中のハフニウムの定量法 : ジルコニウムとハフニウムの分離ならびに微量定量に関する研究(第7報)

概要

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さきに,チオシアン酸塩を含むジルコニウム,ハフニウムの混合溶液から,溶媒としてシクロヘキサノンを使用することにより,ハフニウムは優先的に有機相中に抽出され,両者の分離がきわめて効果的に行なわれることを見出したので,これをジルコニウム中に少量ないし微量含有されるハフニウムの分析に利用することを試み,満足すべき結果を得た.<BR>分配抽出後の有機相を,新たな水相溶液と振り混ぜ,洗浄する操作を数回繰返すことにより,ハフニウムを純粋な状態で有機相中に分離したのち,これを定量し,一方,放射化学的手段か,または抽出曲線の解析によって有機相中のハフニウムの収率を知り,この両者から試料中のハフニウム含有率を求めることができる.<BR>とくに,有機相中に分離したハフニウムの定量に,さきに報告したモーリンによる吸光光度法を適用することにより,ハフニウム含有率のきわめて低い,いわゆる原子炉級ジルコニウム中のハフニウムの定量を,短時間に,感度,精度ともに高く実施することも可能であり,とくにこの方法は,操作の簡易さの点で従来の方法にまさる利点をもつものと思われる.
社団法人日本分析化学会の論文