水酸化ナトリウムと共存する次亜硫酸イオンのポーラログラフィー : 染色工程還元液中の次亜硫酸ナトリウムの連続分析法(第1報)
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概要
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染色工業において重要な還元剤として広く用いられる次亜硫酸ナトリウムは,その還元力を増すために水酸化ナトリウムと共存する場合が多い.このような水酸化ナトリウムと共存する次亜硫酸ナトリウムの迅速な工業分析のために,ポーラログラフ法が適用できることを確かめた.ポーラログラフ法による場合には,溶存酸素を除去するならば,共存する水酸化ナトリウムを支持電解質としてそのまま使用することが可能で,水酸化ナトリウムの濃度が,ほぼ5×10<SUP>-5</SUP><I>M</I>ないし5×10<SUP>-2</SUP><I>M</I>の範囲で滴下水銀電極電位-0.45ボルト(対飽和甘汞電極)に半波電位を有する典形的な酸化波によって,次亜硫酸イオンの定量分析ができることがわかった.また,染色工程における還元液中に共存すると予想される染料,チオ硫酸塩,亜硫酸水素塩などの影響を検討した.<BR>一般に,染色工業における還元液中の次亜硫酸ナトリウムの濃度は0.3<I>M</I>以上であるが,水酸化ナトリウムも1<I>M</I>程度共存しているので,その工業分析あるいは連続的濃度測定には,水で希釈するだけでポーラログラフ法が適用できることを確認した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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