酢酸ビニル中の微量のベンゼンおよびトルエンの紫外吸収スペクトルによる定量 : ポリビニルアルコール製造工業へのスペクトロメトリーの応用(第4報)
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概要
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酢酸ビニル製造工程における種々の試薬溶液,とくに酢酸ビニル中の微量のベンゼンおよびトルエンの分析が工程管理上必要なので,この実験をおこなった.<BR>各種の機器分析について比較したが,紫外吸収スペクトルによる方法がもっとも適していると考えて,分析法,精度,検出の限度について検討した.<BR>試料を20%以下の濃度にメタノールでうすめて,ベンゼン,トルエンが0.03〜0.04%以下になるように調節し,10mmのセルで255〜275mμの範囲を測定する.まずトルエンを268.2mμの吸収のベースライン法で定量し,ついでトルエンによる258〜267mμの吸収を差引いた残りの吸収曲線から,ベンゼンを260.2mμの吸収のベースライン法で定量する.精度は信頼度95%として,相対誤差で±10%以下である.検出の限度は,両者が共存している場合は各0.005%,どちらかが含まれなければ0.001〜0.002%である.精度と迅速度の上から,この分析法は工程管理用分析に有用である.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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