天然放射性核種の短時間ろ紙電気泳動分離とアルファトラックによる放射性核種新検出法
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概要
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アルファ線がセルロイド(硝酸セルロース+しょうのう)表面に衝突すると,その飛跡が保存され,表面化学処理によりその飛跡の顕微鏡観察が可能となる.この方法をろ紙電気泳動分離したアルファ放射性核種の同定に用いた.すなわち,娘諸核種を含む天然放射性核種アクチニウム-227,ラジウム-228試料を,0.1<I>M</I>ギ酸アンモニウムを電解質として用いたろ紙につけ,3分間(電位こう配:2000V/29cm)泳動分離したのち,セルロイドフィルムでアルファ放射性核種の分布を観察した.通常のオートラジオグラフとの組み合わせによりアルファ,ベーター放射性核種の区別が容易であり,アルファトラックの生成および減衰の時間的変化から核種同定も行なった.その結果,ビスマス,ポロニウム,トリウム(原点)<鉛,アクチニウム<ラジウム,タリウムの順に泳動していた.また顕微鏡写真から数えたアルファトラックの数を核種分離からの時間に対してプロットすることにより存在する核種の半滅期確認も可能であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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