核分裂片飛跡法による岩石中のウラン定量
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概要
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核分裂片飛跡法(フィッショントラック法)を用いた粉末試料中の簡便ウラン定量法の開発を目的とした.直径5mmの穴を有するポリカーボネート板と飛跡検出材としての白雲母をはり合わせ,この穴の中に約10mgの粉末試料を詰め,これを原子炉中性子照射する.白雲母に生じた飛跡を表面化学処理で現出させ,顕微鏡写真から飛跡密度を得た.標準試料作製にマトリックスとしてシリカゲル粉末を用いれば通常の岩石含有ウラン量であるppm程度のウラン定量につごうがよいことがわかり,これに既知量ウランを含ませた試料を用いて標準曲線を得た.飛跡分布に影響を及ぼす試料粉末粒度や唯一の妨害元素であるトリウムの影響についても検討したあと,標準曲線を用いて,4個の米国標準岩石粉末試料と2個の本邦標準岩石粉末試料にこの方法を適用し,他の報告者の種々の方法で得た値と比較検討した結果,満足すべき結果を得た.この方法は一時に多量の試料分析ができるほか,試料粉末自身にはなんらの変化も起こらないから他の目的に再使用も可能であり,経済的な方法でもあるなど多くの利点を有している.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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