アクチニド元素検出のためのフィッショントラックとアルファトラック法の比較
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概要
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アクチニド元素の化学的研究の際に,これらの元素の検出法として白雲母を用いたフィッショントラック法は有望である.この報告ではウラン,トリウム溶液をろ紙電気泳動し,この試料に白雲母をはり合わせ,原子炉中性子照射で核分裂反応を行なわせ,白雲母に生じたフィッショントラックをエッチングにより調べた.その結果ウランの分布状態を見るためには,従来の化学的検出法よりも,たいへん感度がよく,簡便な方法であることを確認した.ついで核分裂性核種のほとんどがアルファ線放射体であることに注目し,核分裂反応断面積のわかっているラジウム以上のアクチニド核種につき,このフィッショントラック法と,すでに報告したセルロイドフィルムを用いたアルファトラック法との,検出法としての比較を計算により行なった.これらの結果をアルファの比放射能の関係として図にした.この図を用いることにより,アクチニド諸核種に対して,比色法を加えたいずれの方法による検出が有利であるか容易に検討できる.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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