速中性子放射化法による高融点物質中の酸素の定量
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概要
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タングステンカーバイド,タンタルカーバイド,モリブデンシリサイド,金属ニオブなどの高融点物質が工業材料として用いられるようになってきたが,これらの物質中の酸素量がその物理的性質に影響を与えるものと考えられる.しかし,これらの物質中の酸素は,従来のhot extraction法では,その高融点のゆえに,定量が困難であると思われる.速中性子放射化法は,試料の物理的および化学的性質のいかんを問わずに適用可能なので,速中性子放射化法により,高融点物質中の酸素の定量を行なった.検出器には5×5 井戸形NaI(T1)を用い,測定器にはノンブロッキング・アナライザーまたはEG & G社製測定器とスケーラーを使用した.<BR>ディスクリミネータ・レベルは5.5〜6MeVとした.これは試料母体の妨害を除去して, <SUP>16</SUP>Nのみを測定しうるディスクリミネータ・レベルである.シリコンを多量に含む試料の場合は,シリコンから生成する放射性核種のγ線により,測定系がパイルアップを起こすのを避けるため,感度が通常の場合の10分の1以下になるように中性子出力を低下させるか,または,試料を黒鉛粉末で10倍以上に希釈する必要があった.通常の場合の感度は,酸素1mgあたり,約1000カウントが最高値であった.精度は酸素量0.1%および0.001%レベルで,それぞれ±約5%および±約40%であった.酸素量0.1%レベルでは,試料をラビットに入れたまま測定するラビット方式を採用し,酸素量がそれ以下の場合は,試料のみをラビットから出して測定するストリップ方式を採用した.所要時間は1回の測定につき約2分であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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