銅オキシン塩-ジチゾン配位子交換による銅の抽出吸光光度定量
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概要
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pH 3.1〜3.5に調節した水溶液にオキシン水溶液を加え,クロロホルムと振り混ぜると微量の銅はすみやかに抽出される.有機相を分離し,これにジチゾン-クロロホルム溶液を加えると配位子交換がおこり銅(II)ジチゾン塩の赤紫色が見られる.610nmで吸光度を測定すると加えたジチゾン量の減少,つまり錯形成に用いられたジチゾン量がわかり,これより銅(II)の定量ができる.本法に掲げた指針によれば0〜18μgの銅(II)の範囲においてベール則が成立する.鉄(III),バナジウム(V),水銀(II)など酸性側でオキシン錯体をつくり抽出される金属イオン以外は妨害しない.また,抽出されてもオキシン錯体のほうが安定なものは当然妨害しない.上記三つのイオンの妨害は塩酸ヒドロキシルアミンを加えることによって防ぐことができる.本法は銅(II)の直接抽出法に比べて迅速であるのみならず,妨害イオンが少ないため,各種分析に利用できる.
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