ルーエマン紫を用いる水銀の吸光光度定量
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概要
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ルーエマン紫を用いる水銀の吸光光度定量法を検討した.この試薬は水溶液として用いることができ,生成した赤色の水銀-ルーエマン紫錯体は,水相のpHが4〜7の範囲でほぼ定量的にベンゼンに抽出されるが,pH6以上ではルーエマン紫はベンゼンに抽出されない.抽出された錯体はベンゼン中で530nmに吸収極大があり,見かけの分子吸光係数の値として6.4×10<SUP>4</SUP>の値が得られ,ジチゾン法に匹敵する感度を有している.抽出される錯体の組成を連続変化法,モル比法で調べた結果,ルーエマン紫が過剰,水銀が過剰のいずれの条件下でも水銀とルーエマン紫の結合比は1:2であることがわかった.水相(10m<I>l</I>)中の0〜30μgの水銀と吸光度との間にベールの法則に従う検量線が得られた.10回のくりかえし精度を求めた結果,相対標準偏差は2.8%であった.共存イオンの影響,ルーエマン紫溶液の安定性についても検討した.
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