チタン(IV)のアルミニウム還元法における白金の妨害除去
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概要
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酸性溶液中でのアルミニウムによるチタン(IV)の還元反応は,微量の白金の共存により著しい妨害を受ける.この妨害作用の原因と,妨害除去法について検討した.<BR>妨害作用の原因は,次の理由によるチタン(IV)の還元効率の低下と考えられる.アルミニウムは溶解時,粒子状に分散する,そのとき,微粒子状白金が還元されて生成し,アルミニウム粒子と接触する.白金は,アルミニウムに比べはるかに小さい水素過電圧をもつ.そのため,水素イオンによるアルミニウムの酸化溶解が促進され,チタン(IV)は還元されない.<BR>この白金による妨害作用は,鉛イオンを還元操作前に添加することによって抑制できる.この場合には,アルミニウム還元により,微粒子状白金の表面は析出する鉛でおおわれる.鉛は大きい水素過電圧をもつため,白金のような妨害作用を起こさない.<BR>この妨害除去法は簡単であり,実用上有効であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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