迅速窒素分析計における不完全燃焼ガスの生成
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概要
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NA-1形迅速窒素分析計を使用して5mg以上の試料を焼却すると,しばしば過大な分析値が得られることを経験した.著者らはこの原因に検討を加えるため試料に窒素を含有しないしょ糖およびコレステロールを選び,比較的多量の試料を燃焼した際生ずるアルカリ非吸収性ガスを捕集した.このガスを赤外吸収,ガスクロマトグラフおよび質量分析法により分析したところ一酸化炭素およびアルゴンのほかにメタン,エタン,プロパン,エチレン,プロピレンの存在が確認された.また微量ではあるがアレンおよびアリレンの存在も認められた.したがって上記の現象は燃焼時における酸素不足による不完全燃焼に基因すると考えられたので,分析計内のオキシゲンチェンバーの容積(5.4m<I>l</I>)を15m<I>l</I>としたところ試料量15mgまでは不完全燃焼を防止し,正規な分析値を得ることができた.
著者
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菊池 信
東京農業大学農学部芸化学科分析化学研究室
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三木 太平
東京農業大学
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三木 太平
東京農業大学農芸化学科分析化学研究室
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玉谷 邦昭
東京農業大学農芸化学科分析化学研究室
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菊池 信
東京農業大学農芸化学科分析化学研究室
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