人身雪害の年次推移とその社会的背景 : 山形県、新潟県の地方新聞(1956年~89年冬期)による統計をもとに
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高度成長期以後,雪害の内容は大きく変化してきたが,その変化の主要な要因は社会的なものであると考えられる。本研究は山形県および新潟県を対象に,1955年から1989年までの30数年間における雪害の年次推移を検証し,その社会的背景を分析することを目的としている。人身への危害が生じた雪害を「人身雪害」と名づけ,地方新聞の記事をもとに事例の収集と類型化を行った。年による積雪の多寡の影響を考慮した偏相関の検討による分析の結果,年次推移に伴い明らかな増加傾向がみられる雪害種と,反対に減少傾向にある雪害種が見いだされた。代表的な雪害種について,このような変化動向の社会的背景を検討した結果,高齢化の進行や雪処理技術の変化などの影響要因の重要性が示唆された。地域社会の変化動向との関連から予想される近い将来の問題点として,屋根雪をはじめとする身の回りの雪処理に関わる事故の深刻化などを指摘した。
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
著者
関連論文
- 安全な雪国の暮らしのために--これからの技術開発の方向を考える (特集 雪国の安全確保に向けた技術開発)
- 減災戦略としてのコミュニティ共助とそのツール「除雪支援マップ」の試作について
- 雪国とエコロジー
- 新庄における新積雪の密度と結晶形(1974/75年〜1985/86年12冬期)
- 新庄雪氷防災研究支所における降積雪観測(1984/85年〜1994/95年11冬期)
- 6095 定住促進型住宅地の追跡調査 : 入居状況と居住者属性に注目して(地域社会の構造と定住,農村計画)
- 冬期居住施設の利用実態と今後の方向 : 豪雪地帯における安心安全な地域づくりに関する調査報告その9
- B-1 地方圏におけるNPOの地域活動にみる圏域性に関する研究 : その1 地域構造性と主体的活動との関係(計画I)
- 市民活動団体の地域活動にみる圏域性と市町村合併による影響に関する研究
- 7357 地方中核都市の既成市街地における新規高層マンションの建設動向 : 山形県山形市を対象として(まちなか居住,都市計画)
- 6051 岩手県における商業構造特性からみた市町村の類型化について(自治組織・コミュニティネットワーク,農村計画)
- 6084 市町村合併による行政圏域の変更が地域活動に与える影響に関する研究 : 市民活動団体の活動・協働にみる生活圏構成(選抜梗概,市町村合併と集落再編,農村計画)
- 屋根雪処理事故の実態分析 : 「平成18年豪雪」における山形県内の事故事例調査から
- 佐々木嘉彦先生を偲ぶ
- 雪害の変化とその社会的背景
- 6004 積雪地域における縁辺集落の再編動向と定住条件 : その3 特異な戸数増減傾向を示した集落の追跡調査
- 高床住宅の普及と雪氷防災
- 8040 積雪地域における高床住宅 : その1 居住者へのアンケート調査からみた新築高床住宅の地域比較(1)
- 8051 積雪地域における高床住宅の普及とその地域的分布特性(建築経済・住宅問題)
- 農村の地域生活と地方小都市(農村計画部門研究協議会 : 農村計画からみた地方中小都市研究の課題)(1991年度日本建築学会大会(東北))
- 『克雪住宅』を考える
- 6024 積雪地域における緑辺集落の再編動向と定住条件 : その2 特異な戸数増減傾向を示す集落の検討
- 住民主体のまちづくり支援に向けた地域資源発掘手法の開発研究--山形県新庄市における「町内の宝物」の調査について
- 生活環境 雪国の高齢者の生活の現状と対策
- 雪国の住宅改善と今和次郎 (features 今和次郎と吉阪隆正--師弟のまなざしと青森の都市・農村・雪) -- (今和次郎のまなざしと吉阪隆正が受け継いだもの 雪)
- 地域における圏域の実態とその長期的推移に関する基礎的研究 : 通勤・通学と購買行動に着目して
- C-22 景観計画の実態に関する研究 : 都市規模と地方圏の違いを指標として(計画IV)
- 大型野外シュートを用いた雪崩実験,その1 : 雪塊と杭の衝撃現象
- 人身雪害の年次推移とその社会的背景 : 山形県、新潟県の地方新聞(1956年~89年冬期)による統計をもとに
- 国の豪雪地帯対策の動向
- A-13 昭和三陸津波による集団移転計画地の実態と今次津波による被災状況について(計画III)
- 6041 広域的な震災復興の支援拠点の形成に関する研究 : その1 岩手県遠野市におけるケーススタディ(選抜梗概,震災復興,オーガナイズドセッション,農村計画,2012年度大会(東海)学術講演会・建築デザイン発表会)
- 雪と共に生きる先人の知恵