吹雪時における光の減衰と視程
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概要
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降雪など雪粒による光の減衰は, 従来までの研究では Mie 散乱によるとして取扱われて来た.しかし光の波長に比べて雪粒が十分大きいことからと, OBrien (1970) の観測で雪粒の散乱面積係数が1より小さい値を得ていることから考えて, この研究で光は雪粒による散乱よりはむしろ反射によって減衰されることを明らかにした.<BR>雪粒の空間濃度と光の消散係数との関係を, 吹雪について観測して, 降雪の場合と比較したところ, 吹雪では降雪よりも5倍近く光の消散係数が大きい結果が得られた.この違いは雪粒の形状や大きさによるものと考えられる.<BR>吹雪, 降雪時の視程を雪粒の空間濃度で表わすと, 同じ雪粒の空間濃度でも, 吹雪では風の無い降雪と比べて12倍以上も視程が悪い.吹雪, 降雪時の視程を雪粒の移動量との関係で表わすと両者の達いはなくなり, 一本の曲線で表わされることがわかった.このことは雪粒などのように有限大の識別できる程度の大きさをもった空間浮遊物では, Koschnieder (1924) の考えたように, 視程は光の一様減衰としてだけではなく, 雪粒とその残像の影響とで説明される.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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