Carcinoembryonic antigen, α-fetoproteinおよびCA19-9が著明な高値を示した肝内胆管癌の1例
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概要
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症例は54才,男性で高熱を主訴に入院.画像検査等で原発性肝癌と診断し肝切除を施行.病理診断は肝内胆管癌であつた.術前carcinoembryonic antigen (CEA) 10400ng/ml, α-fetoprotein (AFP) 1173ng/ml, CA19-9 12000U/mlと3種の腫瘍マーカーが共に高値を示し,術後, CEAは642.9ng/ml, AFPは137.3ng/mlと著明に低下した.腫瘍内濃度はCEA 26000ng/g wet wight, AFP 8200ng/g wet weight, CA19-9 540000U/g wet wightといずれも血清値に比し高値であつたが,さらに局在を酵素抗体法で検討したところ, CEAとAFPは腫瘍細胞内に分布が見られた.以上より本例におけるCEA, AFP及びCA19-9の血清中の高値は腫瘍細胞の産生によると推定された.文献的にCEAおよびAFPが共に高値を示す肝内胆肝癌はまれであつた.
著者
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堀田 忠弘
健康保険鞍馬口病院内科
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春山 春枝
健康保険鞍馬口病院内科
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草場 昭彦
健康保険鞍馬口病院内科
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明石 勤之助
健康保険鞍馬口病院内科
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西田 康一
京都府立医科大学第一内科
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宮崎 忠芳
京都府立医大第二内科
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西田 康一
京都府立医科大学第1内科
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高木 秀一
健康保険鞍馬口病院内科
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谷川 徹
健康保険鞍馬口病院内科
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菅 啓祐
健康保険鞍馬口病院内科
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盛川 温子
健康保険鞍馬口病院内科
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