全身性エリテマトーデスにおける抗DNA抗体に対する抗イディオタイプ抗体の検索交叉反応性抗イディオタイプ抗体としての検討
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概要
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抗ssDNA抗体に対する抗イディオタイプ抗体を全身性エリテマトーデス(SLE)患者血清を用い,健常人血清を対照として検索した.抗ssDNA抗体活性およびDNA抗原を除去処理したSLE血清および免疫グロブリンは,同処理健常人血清に比べ, 125Iでラベルした他のSLE患者血清より得られた抗ssDNA抗体のF(ab′)2フラグメント(F(ab′)2抗ssDNA)と, ssDNAとの反応を有意に阻害した.阻害率; SLE: 19.0±10.5%m±SD(n=15),健常人: 5.4±6.3%(n=15) (p<0.01).阻害を示したSLE血清由来のIgGは健常人IgGに比べて,同反応を,より強く阻害する傾向にあつた.さらに阻害を示したSLE患者血清のなかで, IgGのF(ab′)2フラグメントに対する抗体(抗Fab抗体)活性を示す同処理IgGは, F(ab′)抗ssDNAおよび抗ssDNA抗体活性を除去したIgG F(ab′)2部分(F(ab′)2抗ssDNA (一))の双方と反応したが, F(ab′)2抗ssDNAとの反応は, F(ab′)2抗ssDNA (一)との反応に比べ, ssDNAによつて有意に阻害された(p<0.02).又同反応は無関係な抗原によつては阻害されなかつた.これらの結果はSLE患者血清中には先に我々が報告したIgGのF(ab′)2部分に対する抗体と同様,抗ssDNA抗体に対する抗イディオタイプ抗体活性が,有意に存在することを示唆するものである.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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