アミロイドーシスにおける過マンガン酸カリウム処理に対する反応
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概要
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アミロイド蛋白はAA蛋白とAL蛋白に大別され, AA蛋白は続発性アミロイドーシスにみられ, AL蛋白は原発性アミロイドーシスにみられることが明らかにされている. Wrightらは過マンガン酸カリウム処理を組織標本に行ない,コンゴーレッド染色を施行すると, AA蛋白由来のアミロイドーシスはコンゴーレッドに対する染色性を失い(過マンガン酸カリウム処理にsensitiveである), AL蛋白などAA蛋白以外のアミロイド蛋白(以下non-AA蛋白と記す)由来のアミロイドーシスは染色性を失わない(過マンガン酸カリウム処理にresistantである)ことより,両者が組織化学的方法によつて簡単に鑑別できることを報告した.著者らは,臨床的に原発性および続発性アミロイダーシスと考えられた症例,および従来検討されていない本邦の家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloidotic polyneuropathy,以下FAPと略す)の症例に過マンガン酸カリウム処理法を適用し,臨床的意義について検討した.原発性アミロイドーシス2例は過マンガン酸カリウム処理にresistant,続発性アミロイドーシス5例はsensitiveというWrightらの成績を支持する所見が得られ,本法はアミロイドーシスの病型を鑑別する点で有用と考えられる.熊本県のFAPの8例はresistantという結果が得られ, FAPのアミロイド蛋白は組織化学的にはnon-AA蛋白と考えられ,生化学的分析に基づく所見に一致する.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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