甲状腺機能亢進症を合併したmyotonic dystrophyの1例
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概要
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甲状腺機能亢進症とmyotonic dystrophyの合併は極めて希である,最近我々はその1例を経験し,甲状腺機能亢進症と神経・筋疾患との関係を考察する上で,興味ある症例と考え,報告する.症例は53才,女で,昭和50年12月頃初めて立ち上がり困難に気づいたが放置.昭和51年3月頃やせ,発汗,動悸と共に筋力低下は悪化し,立ち上がり不能となり歩行障害や嚥下障害も認めたため,同年7月入院した.入院時び漫性甲状腺腫を触知し,胸鎖乳突筋,僧帽筋をはじめ,下肢では中殿筋や大腿四頭筋にも著明な筋萎縮,筋力低下を認めた.また白内障とmyotonia現象を認め,筋電図でも典型的なmyotonic dischargeを認めた.甲状腺機能は血清サイロキシン20μg/dl以上, BMR+77.8%, 131I甲状腺摂取率81%と明らかな亢進を示した.その他の内分泌異常として,尿中17KSの軽度低下, GTT時のIRIの過剰反応, ITT時のHGHの低反応,血清LH, FSHの高値およびLH-RH試験におけるLHの高反応などがみられた.入院後, methimazole15mg/日投与により甲状腺機能が正常化すると共に嚥下障害は消失し,徐々に歩行障害は改善し,独力で立ち上がりも可能となつた.以上の経験に加え,文献的にも両者の合併は筋力低下の急速な悪化をもたらすとされており,甲状腺機能亢進症の早期発見,早期治療が肝要である.
著者
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相沢 豊三
立川共済病院
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古見 耕一
琉球大学保健学部成人保健学教室
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奥野 哲二
立川共済病院内科
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森 皎祐
立川共済病院内科
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竹岡 常行
慶応義塾大学医学部内科
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古見 耕一
琉球大学保健学部成入保健学教室
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相沢 豊三
立川共済病院内科
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