脊髓腫瘍症状を示した黄靱帯骨化の1例
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概要
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黄靭帯は上下相隣する椎弓を連絡する弾力線維よりなる靭帯で,第2頚椎以下全部に存在する.その付着部は脊柱の部位によつて多少変化を示すが,上位椎弓の下半部内面におこり,下位椎弓の上外面から関節突起および関節包に付着する.ことに側翼部は椎間関節に向つてのび,その一部は上関節突起の内方に付着し,他の一部は椎間孔の下半分の前壁を形成する.この解剖学的位置からみても,黄靭帯の肥厚または骨化が脊髄,馬尾神経あるいは神経根を圧迫し,腰痛や根性坐骨神経痛をおこし,さらに脊髄症状を惹起する可能性を充分もつている.とくに,黄靱帯の病的肥厚または骨化により脊髄障害および神経根刺激症状を呈し,脊髄腫瘍を思わせる症状を認めることがあり,鑑別診断が重要である.われわれは,胸椎黄靭帯骨化により脊髄神経根圧迫症状を示し,特徴的なX線所見を認めた1例を経験したので報告し,さらに文献例について考察を加えた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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