ガスクロマトグラフィーによる血中胆汁酸の定量分析正常人と肝疾患患者について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
GLCで胆汁酸を分析する際,胆汁酸methylesterのacetateおよびTFA誘導体と1.5%QF-1カラムの組合せが十分定量性のあることを認め,正常人および肝疾患患者の血中胆汁酸をGLCで定量分析し肝疾患の状態を血中胆汁酸の面から追究した.その結果正常人で0.12-1.46μg/ml serum,肝疾患ではいずれも高値を示し,急性肝炎で160μg/mlに及ぶ著しい増加を認め,この場合一次胆汁酸のchenodeoxycholic acidとcholic acidの増加が顕著であつた.慢性肝炎は1-10μg/ml程度の上昇であつた.肝硬変症は1-10μg/mlとくをこchenodeoxycholic acidの増加が著明である.閉塞性黄疸では7-80μg/mlかつcholic acidが高値であつた.胆嚢症で無症状時は正常,発作時に血中濃度が上昇する.また従来行なわれている肝機能検査のうちでは血中胆汁酸はtotal bilirubinと相関関係にあり,急性肝炎は閉塞性黄疸より勾配の多い回帰直線となる.血中胆汁酸値は肝疾患の病状とよく平行して変動しすぐれた肝機能検査法の一つであると思われ,今後分析操作の簡素化がのぞまれる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- 肝血管肉腫の1例
- 赤血球増多症を伴った原発性肝癌の二症例
- 発言(1)胆汁酸代謝異常
- Cholestyramineの肝胆道疾患患者血中胆汁酸,皮膚掻痒に及ぼす影響
- ガスクロマトグラフィーによる血中胆汁酸の定量分析正常人と肝疾患患者について
- 肝胆道疾患における胆汁酸代謝 : 肝胆道疾患における尿中胆汁酸SulfateおよびNonsulfateについて
- 肝胆道疾患における胆汁酸代謝 : 肝胆道疾患における血中胆汁酸SulfateおよびNonsulfateについて
- 肝胆道疾患における血中胆汁酸の測定(第2報)血中非抱合型胆汁酸の臨床的意義について
- 血中ursodeoxycholic acidのradioimmunoassay
- 血清中胆汁酸の酵素免疫学的測定法
- 血中胆汁酸の酵素免疫学的測定法(速報)
- Ursodeoxycholic acid 投与による cholesterol 胆石の溶解と胆汁中胆汁酸構成の変化(速報)