高K血症を伴なう周期性四肢麻痺発作を呈せる甲状腺機能亢進症の1例
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概要
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52才男性の甲状線機能亢進症患者で,高K血症性の周期性四肢麻痺を呈せる1例を報告した.発作は疲労後の安静時におこることが多く,全身倦怠感,頚部緊迫感に始まる両下肢の完全または不全麻痺で,ついで上肢の筋力低下をきたす場合と,しからざる場合とがある.自然発作時の血清Kは非発作時に比して常に高値を示した.発作の誘発はブドウ糖,またはこれとインスリンとの静注(誘発第一法), KClもしくはこれとtriamterenとの経口投与(誘発第2法)で試みた.誘発第一法では麻痺は強くはないが多少とも出現し,血清K値は前値よりも上昇した.誘発第2法ではより強い麻痺が出現し,食塩投与でK値の低下とともに麻痺も緩解した.甲状腺機能亢進症の治療は131I投与で行なつたが,臨床像の改善と機能の正常化に伴なつて自然発作の出現は見られず誘発第二法でも発作を認めぬようになつた.筋細胞のK出納を直接検しえなかつたが,発作出現の機序にかんして若干の考察を加えた.
著者
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菊入 剛
札幌医科大学第二内科
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森口 修身
札幌医科大学第二内科
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小柳 崇
札幌医科大学第二内科
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宮原 光夫
札幌医科大学宮原内科学教室
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宮原 光夫
札幌医科大学
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県 賢
札幌医科大学宮原内科学教室
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千田 昭宏
札幌医科大学宮原内科学教室
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小柳 崇
札幌医科大学宮原内科学教室
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菊入 剛
札幌医科大学宮原内科学教室
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森口 修身
札幌医科大学内科学第2講座
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森口 修身
札幌医科大学宮原内科学教室
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