血清肝炎の臨床
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概要
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1951〜1958年の間に入院した40例の血清肝炎患者における肝機能檢査並びに臨床経過を観察し次の結果を得た. 1)即報の流行性肝炎の統計においては20才乃至29才台に最も多くの罹患者(99例中44例)を見たが血清肝炎の発生頻度には年令的差異は認められなかつた. 2)血清肝炎の発現と肝疾患やその他の既往歴との間には有意の関係は認められなかつた. 3)血清肝炎40例中35例は手術時輸血を受け4例は輸血のみで発病し1例は血清肝炎患者血液の皮注によつて発病した. 4)血清肝炎の黄疸持続期間は7乃至169日(平均50日)でその大多数例は1乃至2ヵ月以内に同復期に入つた. 5)血清肝炎における種々の肝機能検査成績殊にBromsulfalein試驗は多くの症例において囘復後もなお比較的長期間異常を呈し,更に血清肝炎から慢性肝炎或は肝硬変へ移行する症例のあることを穿刺所見から確認した. 6)40例中2例は電撃性肝炎の症状を呈し発病10日以内に死亡し,死後剖檢にてそれぞれ急性並びに亞急性(黄色)肝萎縮症と診断された.
著者
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藤田 輝雄
京都大学医学部脇坂内科
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山本 俊夫
京都大学医学部脇坂内科
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脇坂 行一
京都大学医学部内科第一講座
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石田 千鶴子
京都大学医学部精神科学教室
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市田 文弘
京都大学医学部内科
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中村 芳雄
京都大学医学部内科第一講座
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作野 忠
京都大学医学部内科第一講座
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森田 茂
京都大学医学部内科第一講座
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橋本 昌平
京都大学医学部内科第一講座
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富田 重良
京都大学医学部内科第一講座
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東 日出登
京都大学医学部内科第一講座
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市田 文弘
京都大学医学部内科第一講座
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山本 俊夫
京都大学医学部内科第一講座
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藤田 輝雄
京都大学医学部内科第一講座
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石田 千鶴子
京都大学医学部内科第一講座
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脇坂 行一
京都大学医学部内科
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