長期間血漿交換療法を施行中の原発性胆汁性肝硬変症の1例
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概要
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発症後,約9年の原発性胆汁性肝硬変症(以下PBC)の41歳の主婦に対し,2年間の長期間にわたり血漿交換療法(以下PP)を実施した.初め6ヵ月間は単一膜分離法にて一回に約4l, 1〜2週間に一回の頻度でPPを行ったが,それ以後は4l/回,隔週の二重濾過血漿交換療法(以下DFPP)に変更し,現在に至るまで57回の同法を行い,黄疸の軽減と自覚症状の改善を得た.またエチレンビニール・アルコール製の膜EVAL 2A, 4A,を使い除去率を比較すると4A.が免疫複合体(以下I.C.) C3, IgMを比較的よく除去した.PPによる黄疸の軽減,抗体や免疫複合体などの除去とImmunomodulationが延命に役立っているものと思われる. DFPPは副作用も少なく,外来通院で可能な点,今後も考慮されるべき治療法と思われる.
著者
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池原 幸辰
京都南逓信病院
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中野 博
奈良医大病態検査学教室
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福田 善弘
京都大学医学部第2内科
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河崎 恒久
京都南逓信病院内科
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中屋敷 博
京都南逓信病院内科
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福田 善弘
京都大学医学部内科学第2講座
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池原 幸辰
京都南逓信病院内科
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中野 博
奈良医大病態検査
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