1998年〜1999年の冬期に大流行したインフルエンザに伴うReye症候群の2例

概要

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1998年から1999年にかけて, 群馬県にてインフルエンザA香港の大流行を認めた.その流行に伴い, Reye症候群の2例を経験した.症例1は, 8歳, 男児で, 意識障害, けいれん.肝逸脱酵素, 血清アンモニアの上昇, 低血糖, 凝固能異常, 高サイトカイン血症を認めた.肝組織所見から, Reye症候群と診断した.症例2は3歳, 男児で, 主訴は意識障害, けいれん.肝逸脱酵素, 血清アンモニア値の上昇, 凝固能異常, 高サイトカイン血症を認め, 肝生検による肝組織所見から, Reye症候群と診断した.ステロイド剤や血漿交換にて治療を行い, 神経学的後遺症を殆ど残さず退院した.また, 2例とも, 咽頭より, インフルエンザ A (H3N2) 遺伝子が検出された.今後, インフルエンザAに伴う肝機能障害を伴う脳症は, 高サイトカイン血症が病態の中心である可能性があり, 発症早期に肝生検を行いミトコンドリアの障害を確定したのち, ステロイド血漿交換などの治療を行うことが有効である可能性があると考えられた.