ドレブリン遺伝子導入による線維芽細胞突起形成に関する研究
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概要
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神経発生において特徴的に出現するアクチン結合蛋白質ドレブリンEのcDNAを, ラット18日胚大脳皮質からRT-PCR法で調製した.このドレブリンEcDNAを線維芽細胞に導入し, ドレブリンEを発現させた結果, 発現細胞はドレブリンAと同じように細胞体から多数の神経細胞様突起を形成し, 細胞形態変化を示した.次に蛍光蛋白質 (GFP) のcDNAとドレブリンAのcDNAを線維芽細胞に Co-transfectして, タイムラプス・ビデオ顕微鏡により突起形成や細胞形態変化を経時的に観察した.ドレブリンAの発現細胞では, 細胞体が丸くなり, ついで突起が伸び始め, 分岐の激しい突起をもつ細胞形態になった.この変化は, ドレブリンがアクチンフィラメントに結合し, 競合的にトロポミオシン等を追い出してストレスファイバーを消失させた結果, アクチンフィラメントが太く曲がり, 細胞体が丸くなったと考えられる.その後, ドレブリンとアクチンが細胞膜直下に集まってその結果として, 能動的に突起を形成してくると考えられる.
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