門脈圧亢進症モデル犬におけるVasoactive intestinal polypeptide (VIP)の門脈・全身血行動態に及ぼす影響
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概要
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慢性総胆管結紮(chronic bile duct ligation以下CBDL)により作成した肝硬変・門脈圧亢進症(以下,門亢症)モデル犬を用いてvasoactive intestinal polypeptide (VIP)の門脈・全身血行動態に対する作用を検討した.VIPの経静脈的投与によりCBDL群,control群の両群で,門脈血流量,門脈圧,肝組織血流量,心拍出量は濃度依存性に一過性の有意な増加(p<0.05)を示したが,CBDL群ではcontrol群に比較し,その増加率は低い傾向にあった.全末梢血管抵抗及び平均大動脈圧は両群とも一過性に有意な低下(p<0.05)を示し,control群での低下率が大きかったがCBDL群に対し有意差はなかった.以上より,CBDLにより作成した肝硬変・門亢症モデルでは門脈血行動態は正常と異なり,VIPに対する門脈血流増加反応が減弱している事が示唆された.
著者
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米山 啓一郎
昭和大学第二内科
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八田 善夫
昭和大学第二内科
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橘 とも子
昭和大学第二内科
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小貫 誠
昭和大学第2内科
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高橋 正一郎
昭和大学第2内科
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竹内 治男
昭和大学第2内科
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樋口 健一
昭和大学第2内科
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加藤 和夫
昭和大学第2内科
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橘 とも子
昭和大学第2内科
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米山 啓一郎
昭和大学第2内科
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