門脈圧亢進症モデル犬を用いたSomatostatinおよびSomatostatin Analogueの門脈・全身血行動態に及ぼす影響
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概要
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欧米で食道静脈瘤出血の治療薬として使用されつつあるSomatostatin (SRIF)とSomatostatin analogue (SMS)の門脈血流減少作用及び全身血流に及ぼす影響を門脈圧亢進症モデル犬を用いて検討した.SRIFとSMSは,正常犬と門亢症犬とも,bolus injectionで門脈圧・血流量を減少後増加させるリバウンド様変化を示しており,全身血流については投与初期で末梢血管抵抗の増大がみられた.門脈圧・血流量減少作用の持続には,continuous infusionが必要であったが,SRIFはSMSに比し投与中止後の門脈圧・血流量のリバウンド様増加作用が強く認められた.また門亢症犬では,正常犬に比し両薬剤に対する血行動態の反応性が減弱かつ遅延していた.以上よりSMSはSRIFに比べ門脈圧及び門脈血流減少作用が強度で長時間作用しリバウンド様作用が少ない点や,全身血行動態に比較的影響を与えないことより食道静脈瘤破裂や消化管出血に対し有効な臨床薬剤となりうる可能性がある.
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