腹腔鏡により肝表面に嚢腫状胆管拡張を認めた胆汁性肝硬変を伴う肝吸虫症の1例
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概要
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症例は73歳の男性で上腹部膨満感を主訴として昭和58年7月11日入院した.生活歴ではコイの生食を好む.入院時検査では便虫卵は陰性,末梢血の好酸球増多と肝機能検査における胆道系酵素の中等度上昇を認め,肝の造影CTでは数個の小円形低吸収域を認めた.腹腔鏡では肝表面に嚢腫状に拡張した胆管と小結節性肝硬変,さらにS4に白色小結節を認めた.肝組織はgarland shapeを呈す胆汁性肝硬変,白色小結節は上皮のadenomatous hyperplasiaと周囲の線維化を伴う小胆管であった.ERCP時に乳頭部より肝吸虫の排出を認め,肝内胆管は末梢で嚢腫状拡張を示した.肝吸虫症では腹腔鏡施行例は少なく,肝表面の特異な胆管拡張や続発性胆汁性肝硬変を伴う例は極めて稀で示唆に富む症例である.
著者
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進士 義剛
兵庫県立西宮病院 内科
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亀田 幸男
兵庫県立西宮病院 内科
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西内 明子
兵庫県立西宮病院 内科
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高木 大輔
兵庫県立西宮病院内科
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泉 哲
兵庫県立西宮病院内科
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進士 義剛
兵庫県立西宮病院
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