著明な脂肪沈着を伴った非アルコール性肝硬変の2例
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概要
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肉眼的にも組織学的にもアルコール性肝硬変にきわめて類似した肝硬変2例を経験した.1例はβリポ蛋白を含む血清脂質系の著明な低値を認めたが,小腸からの脂肪吸収障害はなく,血清脂質値の低下と肝への脂肪蓄積の原因として肝からの脂肪分泌障害が推察された.<BR>2例目は肥満とインシュリン高反応型の糖代謝障害を伴っていたことより,それらが脂肪肝および脂肪性肝硬変の原因のひとつになったものと思われた.<BR>2例とも血清アポB値が低く,非アルコール性脂肪性肝硬変の発症にはアポBが何らかの関与をしていることが推察された.<BR>脂肪性肝硬変がアルコール性か非アルコール性かの簡便な血液生化学的鑑別法として,GOT/GPT比,IgM/IgA比,アポB値の測定等が有用と思われた.
著者
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